オリジナル版:

日本語版:

the sea of kahya、邦題は「か~やの海」なのですが、タイトル通り、まず海のシーンからスタートします。

か~やというのは、このねずみで…

しっぽがぐるりんと巻いていて、さきっちょがフサフサしているのが特徴です。
前から見ると…

こんな感じ。

この子が住んでいるのは、mousiaという国のmicromyshireという村で、村のねずみたちのお母さん的ポジションにいるねずみです。

micromyshireは、海辺の村で、か~やも朝な夕なによく海辺を散歩しては、お気に入りの木の上で、一人、海のキラキラした光玉を眺めています。
写真やる人が、光ボケを撮る練習をするのによく使う、あのキラキラですね。

この出だしをどうやって作画するか…という点で、実は、さんざ迷い、試行錯誤しました。

静止画の作成は、静止画のことだけ考えていればいいですが、アニメに使う絵を作画するには、まずはどんなシーンにするのかを決めなければなりません。

普通は、この流れだろうと思います。つまり、
1.シーンの流れを決めて
2、必要な絵を作画して
3.1で決めた通りに2で作った絵をつなげる

しかし、今回は、このやり方を変えてみることにしました。
つまり、静止画のイラストを描いてみて、出来たものを見ながらシーンの組み立てを考えるというやり方です。

この方法を取ってみようと思ったのには、いくつか理由があります。
一つには、映画祭に応募する際、必ずスティルを要求されること。
スティルというのは、stillのことで、日本語ではよくスチール写真などと言われたりしますが、映画の見どころを切り取った静止画像のことです。

今まで作った作品では、どのシーンがスティルに相応しいのか、悩むことが結構ありまして…
それは、即ち、ここが見どころ!名シーン!ということを、あまり意識しないで制作しているせいなんですよね。
そこで、今回は、最初からスティル候補になるような、イラストとして完成度が高い絵をまず作って、その前後に引き立て役となるシーンや、お話を接続するためのシーンを入れて時間を埋めていく。
そんなやり方をしてみようと思ったのでした。

もう一つは、今回の作品が、パステルという今まで使ったことがないテクニックを使った作品だということ。
そのため、CGでもセルでもクレイでもない、パステル画としての独自性を発揮できる絵を作って、それを最大限生かすシーンつなぎにしようと思ったわけです。

この記事のアイキャッチに使っているmousepolisというmousiaの首都のシーンが、その一つです。
映画の前半から後半に向かって順序だてて作画するのではなく、全体を通して、見せ場・スティルにする予定の絵をいくつか先に作り、それを動画編集ソフトに入れておきました。
そして、動画ソフト上で、途中のシーンがボロボロ抜けている製作途中の映画を何度も何度も見て、
「このシーンに持っていくためには、その前にどんな流れが必要か」
「ここでどう切り替わるのが一番自然か」
と考えながら、間を埋めるシーンのシークエンス・イメージを徐々にハッキリさせていきました。
そして、そのシーンを作るのに必要なパステル素材を作画する、という手順で作業を進めました。