ニューヨークで活動している猫レスキューのNPOで、Flatbush Catsというグループがあります。
YouTubeで沢山の動画を公開していますが、かわいい猫たちはもちろんのこと、ナレーションと選曲、編集のうまさに唸ってしまうものばかりです。


Flatbush Cats制作の一連の動画を見ていると、レスキューされる猫の中には子猫が非常に多く、助け出された時には、やせて汚れた状態の子も少なくありません。
しかし、レスキューチームの手厚いケアのおかげで、みるみるうちに健康と美しさ、元気を取り戻し、すくすく成長していきます。
そんな様子を丹念に追った動画を見ていて、小さな命の持つはかり知れない尊さを強く感じました。
そんな印象を表現しようと作画しました。

この作品もまた、これの前作にあたる「猫 ゴンドラで往く」同様、ほかのペン画アーティストの作画技法をマスターすべく、真似て描いている部分があります。
今回参考にした方の一人は、アメリカ在住のアジア系アーティストで、この方の作品からは、主に花の描き方を真似てみました。
本当は、葉っぱも真似てみる予定でしたが、やってみて途中で失敗した上に、全体のトーンを考えると、別の方法で描かないとバランスが悪くなると気づき、急遽自己流に変更。
この方の葉っぱの描き方の真似は、また次の機会に決行しようと思います。

もうお一方は、国内のボールペン画イラストレーターの方で、熱帯植物の描き方を真似してみました。線が細くてきれいなうえに、点描で細やかな表現をされています。私は、ボールペンの点描という方法をあまり使わず、殆ど線で描いています。点で描く根気がないというか…(笑)それに、やはり、全体のバランスを考えると、コントラストをグンと強くする必要がありました。
ほかの作品で、点描中心のトーンも試してみたいです。

この作品は、途中何度も、
「ここで仕上げにしよう」
と思いつつ、手を加え続けていって、最終的にこの仕上がりになりました。
どういうことかというと…

最初は、左の状態で完成にするつもりでした。
しかし:
・猫の周りの白いスペースのせいで、猫が埋もれて見える
・植物の濃淡が足りないため、遠近感がなく平面的に見える。奥行が感じられない
という問題があることに気づきました。

もちろん、こうした描き方も、一つのデザインとしてありなのですが、この作品については、上記2点を改善した方がいいと判断しました。
その結果:
・猫周りは暗くする
・植物パートに濃淡のメリハリを持たせて、遠近感と立体感を出す
ように、かなり暗い部分を増やしました。
そして完成したものが、右の作品です。

また、制作中の作品を見た母が、
「猫が猫らしくない。猫と背景のどっちが主役か分からない」
とコメントしてきましたが、これについては:
・タイトルがprecious precious little livesであって、特に動物の命だけを尊いというつもりはなく、植物も「背景」という添え物ではなく、主役である
・「尊き小さな命」なので、あまりに猫猫しい(?)描き方では、テーマに相応しくない
と反論し、自分ではこの通りで満足しています。

making動画:

この作品も、カレンダー用にセピア版とダークグレイ版を作ってみました: