札幌で開催中のミュージアム・アート・フェアは、2月14日で終わります。
その後、地元ギャラリーのオープンが4月以降の予定ですので、4月末からゴールデンウィーク辺りで、凱旋展を開くことになりそうです。
札幌の方では、おかげさまで物販も順調とのことで、本当に参加できてよかったです。

ところで、このように、大きな会場を使っての展覧会などを比較的自由に開催できるのは、日本ならではの状況のようです。
管理人のインスタグラム友達のお一人、長倉小百合さんはメキシコで暮らしていますが、月に一度程度、それも食料の確保など、生きるために本当に必要な事由による外出のみが認められる生活を送っていると、ご本人からお聞きしました。
しかもそのような厳しい制限のある生活が、昨年春から続いているとのことです。

作品発表と販売が生活の糧である作家にとって、これは本当につらい状況です。
販売自体は、インスタグラムやfacebook経由で受注することが出来ても、ギャラリーを使っての展覧会は、オンラインでのバーチャル展示では到底代替できない刺激と感動があります。
長倉さんの作品を初めて拝見したのは昨年初夏のことで、一見して、この方の作品展は、さぞかし壮観だろうと閃きました。展覧会場に一歩足を踏み入れた瞬間に、お客様のお顔が驚きと喜びに輝くであろうと、まざまざとイメージできたことをよく覚えています。
そこで、春に地元で予定している凱旋展の他に、長倉さんの作品と自分の作品を併せての二人展を企画することにしました。

コロナウィルス感染症をめぐる今の世界の動きを見る限り、メキシコでイベント開催が可能になるのがいつ頃なのか、まったく覚束ない状況です。
それなら、比較的自由に動ける日本で彼女の作品を展示して、買い手を見つけてはどうだろうか。
メキシコから展示販売のために原画を相当数送っていただいて、展覧会で買い手がつかなかった分をメキシコに返送する費用と手間は、どう考えても無駄。
それなら、展覧会で使いたい分を管理人が自分でまとめて買取してしまう方がいいだろう。
買い取ったものなら、管理人個人の所有物になるので、展示で紹介する、気に入って下さったお客様に買っていただく、自己所有のままにするなど、状況をみながらフレキシブルな対応が可能です。

振り返ってみれば、2019年の秋にギャラリーと偶然ご縁が出来て以来、展示やりませんかとずーっと言われているのに、自分の都合、次いでコロナ勃発で、今日に至るまで結局個展での利用は実現できていません。
ギャラリーの経営は、主に作家が払うレンタル料と作品の売上マージンで成り立っており、今回の札幌展示で一方ならぬお世話になった以上、今年こそは、ギャラリーを借りての展示で、この恩に報いる必要があります。

そうはいっても、ここでの開催を想定していた個展はアニメ展であり、自作アニメの上映会というイベントが目玉になります。
三密イベントの開催が難しい今の状況では、イベントなしの普通の展示にする必要があるものの、その場合は、展示スペースの大きさに見合った内容を考えるのが難しい。
昨年検討していたのは、写真、パステル画、ペン画、アニメスクショを一堂に展示する「アニメーション作家の修行展」という企画でしたが、これを開催するには会場のスペースが少々足りず、内容的にも欲張りすぎて分かりにくい展示になりそうという懸念がある。

しかし、長倉さんの作品をメキシコから取り寄せての二人展なら、展示の企画内容としてちょうどいいものができそうです。
・二人とも作画にボールペンを使っているから、ボールペン作家の二人展。
・ただし、カラーvsモノクロということにすればテーマも分かりやすい。
・展示作品の点数から言って、ギャラリースペースのサイズにもピッタリ

そんなわけで、長倉さんに早速ご相談させていただき、展示に使うこと、見ごたえがあって多くのお客様に特に好まれそうな作品という基準で、5点まとめて購入しました。
また、展示は、原画販売に加えてポストカード等の複製品やグッズ販売で収益を上げる絶好の機会でもあります。
この点、長倉さんご自身にメキシコでご対応いただくのは非現実的なため、原画購入に併せて3年の期間限定付きで、著作権も譲っていただくことになりました。
これにより、向こう3年間限定で、管理人が長倉さんの作品を使ったグッズ類の製作販売を自由にできることになります。

こうした背景もあり、ここしばらくは、SAYURI NAGAKURA特設ページの作りこみにかかり切りでした。
本腰を入れて調べてみると、世の中には、オリジナルデザイン製品の小ロット製造をサポートしてくれる業者さんが沢山、本当に沢山いるんですね!
しかも、3Dシミュレーター完備のサイトも多く、実際に製造する前にすでに完成品の商品写真を撮影できてしまうというすごさ。
長倉さんの作品は、色々な商品に使うのにデザイン面で非常に相性がよく、あれこれシミュレーションしてみて、とても楽しかったです。
しかし、こちらもマンパワーはごくごく限られていますので(というか管理人一人ですべて回していますので)、在庫の管理や梱包・発送作業をこちらで一切せずにすむ小ロット受注生産かつ代行発送のシステムを持つ業者さんの製品に限ってリリースすることにしました(例外はポストカードのみ)。
結局のところ、こうすることで、コロナ禍で慢性的に業務過多と言われている宅配業者さんの負担も減らせることになります。

お店の方は、各製品の関連業者さんとのすり合わせや試作品の発注もほぼ済んだので、あとは原画の到着を待ち、本発注のためのデータ作成、試作品の品質チェック、受発注のロジスティクスの最終チェックをすれば、ゴーサインを出せます。
その後は、お店の管理をしつつ、二人展で使う自分の分の作画を必死で(笑)こなさなければなりません…。

二人展は、単に管理人のモノクロの作品と長倉さんのカラー作品を並べるだけの内容ではありません。
次のペン画アニメに出てくる子猫が、ひょんなことから、とある世界的に有名な植物学者がデザインしたお庭に紛れ込み、小さな探検をするという一つのお話にまとめます。
この設定は、実は長倉さんの絵を買い取って展示しようと思い立った段階では、全く念頭にありませんでした。
最初は、モノクロコーナーとカラーコーナーを分けて展示しようと思っていたくらいです。
しかし、それでは展示として統一感のある一つの小宇宙を創り出すことができず、無味乾燥な展示になってつまらないなー…
と思ったときに、なら、次の映画用の制作も兼ねて、本編のスピンオフの位置づけになる小話を一つ作ってしまえ、となりました。

経験上、なんとなく見切り発車で
「やってしまえ!」
となったことが、当初予定していなかった制作のきっかけになるというパターン、実は結構あります。
今回もまさにそのパターン(笑)。

まだ一月…?
今年もなんだかんだで猛烈に忙しくなりそうです^_^;

アイキャッチは、今回購入した長倉さん作品5点のうちの一つ、sweet dreamsのパネルシミュレーション画像と管理人作のイカ耳仔猫🐈