Canopy Cat Rescueというfacebookページがあります。
後先考えずに(笑)高い木に登って降りられなくなった猫というのは世界中どこにでもいるわけですが、こうしたケース専門のレスキュー活動をしているチームがあります。
そのチームが運営しているページで、現在の活動地域はアメリカ、西ワシントンだそうです。

普段から猫関係のページや投稿にいいねしまくっている関係上、このページがおすすめで出てきまして。
内容を見てすっかり気に入り、やっぱりlikeしてしまいました^^;
そこで、あるとき、この写真を見て、是非描いてみたいと思ったのが、アイキャッチの作品です。
大抵の猫は、誰かが木に登って助けに来てくれると、喜んでおとなしく助けてもらいます。
しかし、中にはやはり、助けに来た人がgood guyなのかbad guyなのか分からず、捕まるまいと逃げ回る子もいるんだとか…
で、やっと捕まえたら、こんな顔…という、なんとも味わい深い写真です。

せっかく助けに来たのに…という、この報われない気持ちを作品にしてみたいというのが制作動機としては一番ですが、同時に、ずっと懸案だった幹のテクスチャ研究のいい機会だとも思いました。
以前、こちらのブログ記事で紹介したイタリアの作家さんの幹の描き方。
模写するか、自分の作品に応用するか、いずれかの方法で、このアプローチを自分でも試してみたいと思っていました。
そのためには、林や森のように、小ぶりな樹が沢山ある風景ではだめで、用紙一杯に樹をどーんと大きく描く必要があります。
本当は、木に登って降りられなくなった猫のレスキューなら、用紙を縦に使って高さを出す構図の方が望ましいでしょう。
しかし、樹の幹をしっかり描きこむという目標もある以上、横フォーマットで表現できる内容を考える必要がありました。
結果的に、助けに来た人の手、大きな木、猫を画面に入れ、助けに来た人を信用していいかどうか分からない猫を描くことになりました。

横フォーマットを選んだのは、もう一つ理由があります。
それは、the Virtual Instructorというアメリカのオンラインアートコースの公開批評コーナーに応募することを考慮したためです。
縦フォーマットの作品だと、横フォーマットの映像の中ではどうしても作品が小さく映ってしまいます。
その点、横フォーマットで応募すれば、映像の画面いっぱいに作品が配置され、見ごたえという意味では各段に上なのです。
そんな事情もあって、敢えて横で描いてみることにしました。

アイキャッチ作品はこの作品の一次案で、実はボツにする予定です。
これは、最初に猫を描いたところでの決定ですので、かなり早い段階でボツを決めました。
アウトライン段階では、実は、この猫はトラ猫でした。
しかし、ペンで細部を描こうとして、このサイズでトラ猫の顔を細かく描くのは不可能と分かりました。
そもそも、目をちゃんと描けない。
そこで:
・用紙サイズをA4→A3に変更してトラ猫にするか
・用紙サイズはこのままで、トラ猫ほど細部の描きこみがいらない黒猫~タキシード猫に変更するか
を検討しました。
結果、トラ猫案はボツにしました。
それというのも、この作品では、樹と葉っぱが画面の大部分を占めることになりますが、そこにトラ猫を配置すると、猫が引き立たなくなるためです。
さらに、当初は、このアイキャッチのように、救いの手を信じていいかどうか分からずきょとんとした様子の猫を描くつもりでした。
しかし、どうもこれでは画面に動きが少なく、大人しすぎるように思えました。
そこで、もう少し振り切って、救いの手に向かってシャー!と威嚇する猫に変更することにしました。

猫が出てくる作品では、猫の失敗=作品の失敗ですので、通常は、ここで切り上げて新しい用紙に描き直すことにしています。
しかし、今回に限っては、樹の幹の練習という他の大きな目的があったため、猫はそのままにして、樹の練習のために描き続けることにしました。

やってみて大正解で、この経験のおかげで、私が目標としているイタリアの作家さんの描き方を概ね把握できたように思います。
しかし、実際に描いてみて、いくつか新たな課題が出てきました。

1.この作品の焦点となるのは、樹の上の猫と猫に差し伸べられた手ですが、手が大きな枝と重なってしまい、効果的に引き立たせるのが難しい。
2.全体的に逆光のため、手は黒々と描く必要があるが、面積の大きい樹を同じくらい黒くしてしまうと、画面全体が暗くなりすぎる。
3.近場の葉っぱはきちんと描きこみ、高い場所の葉っぱや枝は、光に溶け込むようにぼかして描く必要がある。そのため、輪郭を描かずに線描だけで表現してみたが、これによって逆に近場の葉っぱが遠くの葉っぱの中に埋もれてしまう結果になっている。

1については、樹のデザインを変更することで対応できそうです。
2については、手を先に薄めに描いてから樹に取り掛かり、全体の濃淡を慎重に見定めながらベストバランスを探っていくしかないでしょう。
また、全体的に逆光とは言っても、手の明暗配置を見ながら、それと統一感のある明暗バランスで樹も描く必要があります。
3については、近場の葉っぱを黒塗りにするなど、色々と試してみましたが、これといっていい方法が見つかりません。単純に、この用紙サイズで可能な限り細部を描きこむという対応で十分かもしれません。

この作品のバージョン2は、すでに下絵を作って、猫と手はある程度まで描き込んであります。
樹のアウトラインを取ったところなので、これから樹の描き込みに取り掛かり、その後は全体を見ながら、より詳細に描いていくことになるでしょう。

完成したら、この作品でも各種グッズを作って、Canopy Cat Rescueチームにプレゼントするつもりです☺